三木谷氏へのプロポーズを前に

日本の大学入試に導入する英語スピーキングテストのプロトタイプになりうるものを京都工繊大のプロジェクトチームで作ってみようということになったのが本年3月末。その際,私はTOEFL・TOEICを開発したアメリカのETSに,問題スペックを共同開発してくれるよう,知人を介して依頼した。昨日の投稿の最後の部分と重なるが,その時のETSの回答は以下のとおり。

  1. 同様の要請が世界中の大学や団体から来ている。
  2. しかし,ETSとしてはTOEFLやTOEICより良いテストを開発することは難しい。
  3.  また,結果としてTOEFLやTOEICと競合することになりうるテストの開発はできない。
  4. したがって,既に開発されていて,新たな開発コストのかからないTOEFLあるいはTOEICの利用を勧めたい。
  5.  仮に新たなテストを開発するとしても,開発費が膨大になり,一大学だけではとても採算が取れないであろう。

ETSは自己修正のきかない奢りの世界に突入しているようだが,アメリカをそういう気分にさせるのがグローバリズムなのだろう。ETSに財布の中身を見透かされた私は,IELTSやFCEを開発したイギリスのCambridge Assessmentにも言い寄る可能性を探ってみた。しかし,金のない者はやはり相手にされないとのこと。

TOEFLを受ける前には,問題や受験に関する一切を口外しないという趣旨の宣誓書を筆記体で書き写し,署名させられる。宣誓書の内容の日本語説明もなければ,写しももらえない。それどころが,ブロック体で書いたら,やり直させらたという受験者さえいる。なんという傲慢! グローバルスタンダード(つまり英語)でやっているテストなので仕方ないと言うのなら,グローバリゼーションとは人権蹂躙のことかと問いたくなる,のはいつものこと。(別の見方をすれば,単に,他の選択肢がないことの弊害とも言えるが。)

とにかく,私はここで引き返した。その後,この馬鹿馬鹿しいほど売り手優位な構図の中に,買い手として国ごと身を投じるという案が浮上して驚いた。あれは参議院選に向けて政治家が揚げたアドバルーン,客寄せパンダだったのだろうか。

目立ちたがり屋の政治家は選挙が終わった途端に忘れたかもしれないが,きっと三木谷さんは諦めていない。その三木谷さんにこそ「日本に拠点を置くExpanding Circle型Assessment Agency設立」のスポンサーになっていただきたい。

そのためにも設立趣旨をしっかりと書かなくてはと思うのだが時間がない。

今週中には必ず!

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